2015/10/27
コートの買い時・活躍期はいつ?
秋が深まって冷え込むようになると気になるのが、冬服に切り替えるタイミング。特に近年は暖冬だと思っていたら、急な寒波に見舞われることも多くなっています。冬モードへのスイッチをより詳しくお知らせすべく、去年スタートしたコート前線を今年はリニューアルしました。
去年は、冬の初めに着る軽めのコート(ハーフコート・トレンチコートなど)と、真冬に着る厚手のコート(ウールコート・ダウンコートなど)について、多くの人がコートを着始める気温を、独自の解析で推定しました。ことしは、ウールやダウンなどの厚手のコートに焦点を絞り「着始める時期=買い時」と「多くの人が本格的に着る時期=活躍期」を予想しました。
気象庁の「気候情報を活用した気候リスク管理技術に関する調査報告書~アパレル・ファッション産業分野~平成26年3月(株)ライフビジネスウェザー作成」(http://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/pdf/H25apa_all.pdf)によると、ウールやダウンコートの売り上げは、1日の平均気温が13℃を下回る頃に売上が伸びることが分かっています。これは最低気温が一桁になる時期に当たり、多くの人がコートを着たいと感じるほど寒くなってきている頃です。
コートの販売数と気温の関係
気象庁「気候情報を活用した気候リスク管理技術に関する調査報告書~アパレル・ファッション産業分野」より
また、服装と気温の関係についての調査「歩行者の外観に基づくclo値推定の試み-定点観測結果を用いて-丸田直美 田村照子」(日生気誌46(4):149-158,2009)によると、平均気温10℃ぐらいから、冬並みの着衣量になることが分かっています(clo値とは衣服の保温性を示す指標)。
これらの結果から、ビジネス気象研究所では、平均気温が13℃を下回る頃を「買い時」、10℃を下回る頃を「活躍期」として、コート買い時前線・活躍前線の目安としています。(一部地域を除く)
ビジネス気象研究所 研究員 藤田友香
気象予報士・防災士・健康気象アドバイザー・IPCCリポートコミュニケーター
・NHK鳥取「いちおしNEWSとっとり」にて
2015年3月までの4年間、気象キャスターを務める
・大学院まで気象を学び、生物と気象の関係「生気象学」が専門