2015/3/25
がんばっぺ商店街!
ライフビジネスウェザーが参加する「孝行サービス」コンソーシアムでは、復興庁の委託事業として、昨年10月24日から今年1月25日までの三ヶ月間、福島県いわき市でのデマンドバスの実証運行を実施しました。
(復興庁HPより)
http://www.reconstruction.go.jp/topics/m14/10/20141020_1.pdf
「孝行サービス」コンソーシアムとは「“今”を築いて下さった先輩方に恩返ししよう!親孝行することで社会貢献し、高齢化社会に屈しない明日を築いていこう!」というコンセプトで、豊かな暮らしを支援する複合型サービスの提供を目指す共同体。
コガソフトウェア
東京大学
奈良女子大学
凸版印刷
ライフビジネスウェザー
で構成されています。
デマンドバス運行のコンセプトは、被災者の方や高齢者の方の移動を支援し、地元の商店街に足を運んでもらうことで、地域を活性化させよう! というもので、これを今度は補助金に頼るのではなく、商店街を中心とした地元の方達に運用してもらい、自立した復興の形を作っていくことが目標です。
今回のいわき市での実証実験では、商店街の店舗に、広告情報サイト(shuhoo!)の利用指導も行いました。
ライフビジネスウェザー・ビジネス気象研究所では、バスの運行が商店街にとってどれぐらいの客足増に繋がったかを調べるために、気象とバス利用者の関係についての分析を行いました。
総合的には、寒い日、雨や雪、風の日ほどバスの利用者が増えるという結果でした。
高齢者が多く、逆に悪天だと億劫でバスの利用さえ減ってしまうエリアもありましたが、スーパーが広告を打った日には、悪天時に積極的にバスを利用して頂いていて、商店街の客足増または、悪天日の客足減の防止に繋がっていることが実証出来ました。
また、こういった気象の影響を定量的に見積もることで、商店街のお店が広告を打った日に、どれぐらい客足が増えたか といった真水の宣伝効果などを割り出し、調査報告としました。
アンケートでは、多少有料になってもまたバスを利用したいという意見や、 だから商店街にはもっと品揃えを増やしたり、憩いの場を作ったりしてほしい!という商店街にエールを送る意見が多くありました。
一方で浮き彫りになって来たのは、過疎化やITリテラシーの問題。
・過疎が進んでいる上に、近くに大型店舗ができて集客が厳しい。
・ネットに広告を打ちたいけどやり方が難しい。
などなど、商店街のハードルは高いようです。
そして何といっても運用資金をどうするかという問題。
地域の自立、活性化といっても、国や自治体、地元商店街、住民の方達、それぞれに温度差があっては成し得ない課題であり、そういった所を調査し繋いで行くのが、このコンソーシアムに求められる所なのだと、実証実験を通して改めて感じました。
ビジネス気象研究所では、今回分析した結果を使い、バスの利用者数(商店街への来店数)の予測モデルを作った所、エリアによっては平均誤差1人~2人程度の精度で予測をすることが出来ました。
今回は3ヶ月という短い実験期間でしたが、さらにデータを蓄積すれば、精度の高い予測モデルを作ることができ 、天気予報をバスの効率的な運用に役立ててもらったり、お店のオペレーションに役立ててもらったりすることも出来るのではないかと考えています。
たくさんの笑顔が集まる商店街作りを支援すべく、ビジネス気象研究所はこれからも模索を続けて行きたいと思っています。
ビジネス気象研究所 主任研究員 小越久美
気象予報士・防災士・データ解析士・健康気象アドバイザー
・日本テレビのニュース専門チャンネル「日テレNEWS24」にて
2013年3月までの8年半、気象キャスターを勤める
・気象予測のほか、桜の開花予想、マーチャンダイジングを担当
・女性の体調と気象の関係を研究中