2015/10/8
おでん・お鍋の逆転現象
具材で解析!おでん・お鍋の逆転現象!
LBWビジネス気象研究所の調べによると、お盆過ぎから増加するおでんやその具材の売り上げは、より秋が深まると落ち着き、鍋物関連の商品の売り上げのほうが増加することが分かっています。
例えば、関東地方の複数店舗において、おでんの代表格である大根と、お鍋に活躍する白菜を比較した所、お盆を過ぎるとおでんの売り上げ増加に伴って大根の売り上げが伸びますが、9月に入り朝の最低気温が20℃を下回るようになると白菜の売り上げが伸び出し、10月に入って最低気温が10℃を下回る頃になると、白菜の売り上げが大根を上回るようになっていました(図1)。寒さが増すと、おでんよりもお鍋を選ぶ家庭が増えるためと考えられます。
図1:大根と白菜の売り上げ個数(7日移動平均)
寒いほど「お鍋」のほうが恋しくなるのは?
人の体は夏の間、産熱を抑えるために基礎代謝が低くなり、さっぱりとした低カロリーのものを欲します。一方、冬に向けては産熱のため基礎代謝が高まり、 こってりとした高カロリーのものを欲するようになります。さっぱりとした味付けで低カロリーのおでんに対し、鍋は味噌ベースやとんこつベース、キムチ味など、こってりとした味付けで高カロリーのものも多く、寒さが増すほど好まれる料理と言えるでしょう。
ビジネス気象研究所 主任研究員 小越久美
気象予報士・防災士・データ解析士・健康気象アドバイザー
・日本テレビのニュース専門チャンネル「日テレNEWS24」にて
2013年3月までの8年半、気象キャスターを勤める
・気象予測のほか、桜の開花予想、マーチャンダイジングを担当
・女性の体調と気象の関係を研究中