2014/10/28
コート前線とは?冬スイッチは気温15℃
冬の初めに着る軽めのコート(ハーフコート・トレンチコートなど)、真冬に着る厚手のコート(ウールコート・ダウンコートなど)について、多くの人がコートを着始める気温を、独自の解析で推定しました。コート前線とは、気象庁発表の季節予報に基づき、冬にかけての気温傾向を分析し、いつ頃それぞれのコートが着たくなるかを予想したものです。予想日から約一週間が前線到達の目安です。
気象庁による「気候情報を活用した気候リスク管理技術に関する調査報告書~アパレル・ファッション産業分野~平成26年3月(株)ライフビジネスウェザー作成」(http://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/pdf/H25apa_all.pdf)
によると、首都圏の店舗では東京の1日の平均気温が約18℃になるとトレンチコートの売り上げが伸び始めることが分かりました。これは最低気温が約15℃になる時期に当たります。
また同様に、ウールやダウンコートの売り上げが伸び始めるのは1日の平均気温が約13℃の時期で、これは最低気温が一桁になる時期に当たります。
LBW・ビジネス気象研究所では、1日の中で気温が15℃以下の時間が長くなると本格的にハーフコートやトレンチコートが活躍し始め、同様に気温が一桁の時間が長くなるとウールコートやダウンコートが活躍し始めると推定しました。これは、「歩行者の外観に基づくclo値推定の試み-定点観測結果を用いて-丸田直美 田村照子」(日生気誌46(4):149-158,2009)で調査された服装と気温の関係にも概ね一致します。(clo値とは衣服の保温性を示す指標)
ハーフ・トレンチ前線は7日間の平均気温が15℃台になる頃、ウール・ダウン前線は7日間の平均気温が8℃以下になる頃を目安にしています。(一部地域を除く)
ビジネス気象研究所 主任研究員 小越久美
気象予報士・防災士・データ解析士・健康気象アドバイザー
・日本テレビのニュース専門チャンネル「日テレNEWS24」にて
2013年3月までの8年半、気象キャスターを勤める
・気象予測のほか、桜の開花予想、マーチャンダイジングを担当
・女性の体調と気象の関係を研究中